はじめに
タイトルからこの本を宗教関連の本だと思うだろうか。
本のタイトルからすごくヤバそうな臭いがプンプンする。
もちろんそんな怪しいものではないし、ツボを売るなどという展開にはならないので安心してほしい。
それと同時に、この本は要約するものではなく、自分でこの本に対してどう感じるかを考えることが大切な本だとおもう
なので、このほんの要約記事を書きたいわけではない。
ただ、このタイトルからどんな内容なのか、それを知る切っ掛けになることができれば、という思いから
私なりの感想と大切だと感じた内容をまとめてみた。
この記事がきっかけとなり、人生/そして個人それぞれが抱える悩みに対して、考えるきっかけになることができれば
それが私ができる最大にして最高の結果だと感じたのでまとめてみる。
あらすじ
主人公のアレックスは典型的に仕事がうまく行っていないサラリーマンで人生にも疲れ、
ふと昔自分がよくいた公園のベンチへむかうとそこで
「すべての成功を手に入れることのできる最高の賢者になる旅」をしている少年サイードと出会う。
サイードの持っている賢者の書にはサイードが複数の賢者のからの教え、体験が書かれており
その教えがこの本のメインとなる。
その教えを記していこう。
第1行動の賢者アクト
この賢者からは「行動」という教えをもらう。
人間は遅かれ早かれ自らの生き方を決める旅に出なければならない。
サイードは「何をやりたいとか、どうやってとかはわからないけど、とにかく幸せになりたい。毎日幸せで素晴らしい人生にしたい。」という。
そのためには行動すること。行動なくして変化することはできない。まずは行動からから全ては始まる。
行動する上で、わかったものを受け入れるわからないものは受け入れられないと考えるのではなく
まずは受け入れる。
そして一つの行動を起こす。そうすると、それに対してピースが一つもらえる。人生というのは、単にこの連続でしかない。
人間は失敗を恐れるようにできている。そのため行動には大きな勇気が必要だと考えてしまう。
しかしそれは間違っている。行動の結果手に入るピースに失敗も成功もない。
ただ最終的に自らの思い描いた絵を完成させるために必要なピースが手元にやってきたという事実があるだけ。
そのピースはどこでいつ、使われるのかはわからない。
言い換えると絵を完成させたとき初めてそのピースがどこでどう使われているのかがわかるだけだ。
だからとにかく行動する。それによって何が返ってくるのかは気にする必要はない。
ただもらった結果というピースをどこに使うことになるのか考え、パズルを組んでいくことだ。
つまり、行動を続けることとは経験を積み重ねるということを意味する。
第2可能性の賢者ユニバス
この賢者からは「可能性」という教えをもらう。
ココロは物体ではなく概念で、どこまであるというものでもない。
つまり無限の広がりを持つもの。実態のない無の世界で目に見えない力、エネルギーでしかない。
誰もがそのココロという無限のエネルギーを持っている。
つまり個人それぞれがもつエネルギーを使うことで無限の可能性があるということ
その無限の可能性というのは信じるのではなく、ただその事実に気づき、例外なく自分にも無限の可能性があるということを正しく自覚することが人生の成功につながる
第3自他心の賢者リスペク
この賢者からは「自尊心と他尊心」という教えをもらう。
自分自身がこの世の中で何者にも代えがたい唯一の素晴らしい存在ということに気づくこと。
そのためには「自尊心と他尊心」を理解する必要がある。
自尊心
自分はココロという大いなる力を有することを許された存在
いつも自らがかけがえのない唯一無二の存在であるということを自覚しながければならない。
それを自分以外の誰もがそう認めたとき成功が手に入る
自尊心を高めることは自分だけが特別だと認識することではない。
他尊心
相手を尊重/尊敬する心
自分を他人よりも価値のないものとして卑下してはいけない
自分を他人よりも優れているものとして傲慢になってもいけない
自尊心と他尊心は常に同じ高さでなければならない
自尊心を高めるということは、同じ高さまで自分以外のすべての人間に対する他尊心を高めるということを意味している
第4武士道の賢者
この賢者からは「目標」という教えをもらう。
何になるのかとはどんな人間になるのかということ表現する形の1つでしかない。
例えば、賢者とはなるものではない。人から期せずして人からそう呼ばれるもの、そして認められるもの。
職業も同じ。
武士道武士とは生まれながらにして武士だった。
自分は武士を目指すというものではなく、生まれながらにしてそう呼ばれることが決まっていた。
それはつまり職業を選択する自由すらないということだ。
そうなると考えることは、「自分はどんな武士になるか?」でありその結果武士道というものが生まれた。
みんな決められた武士という枠の中で、自らの思い描く理想の武士を目指し努力する。
すると驚くべき意志の力を生み出す
第5今の賢者デイル
この賢者からは「今」という概念の教えをもらう。
人間は今この瞬間しか生きることはできない。その概念を正しく理解すること。
過去を嘆いても、未来を憂いても過去は良かったと懐かしんでも、未来に不安をいだいても、今しか変えることはできない。
この人は成功するなと思われる一日にする。
今この瞬間の行動と言動だけが未来へ干渉し、変えることができる
人生とは一冊の伝記を書いているようなもので、毎日1ページその伝記に書き加える作業が生きるということ。
つまり書くことができるのは今日一日ということだけ。
過去を書き直すことも、未来を先取りして書くこともできない。
今すべきことは今日という1ページを他人が読んだときに、
この人は成功する人だと思われるような1日にすること。
第6投資の賢者ティム
この賢者からは「投資」という概念の教えをもらう。
投資とは自らの持つ財産を今は使えないものにかえて、将来大きく価値が上がるのを待つこと
唯一投資できるものは時間。
人生という貴重な財産、時間という財産を投資することその結果としてビジョンを完成させるためのビジョンを完成させるピースを受け取る本当の財産は時間
仕事は尊い仕事とそうでない仕事という区別はないしかし、尊い働き方とそうでない働き方はある
8時間の労働によって得るのはお金。これは資本主義社会に生きる上で必要になる金。
そしてあと2時間その人が金を得ず他の別のことのために働くという投資をしたときに
パズルのピースを手に入れることができる
具体的には、信頼や人望、感謝、人脈、知識、もしかしたら同僚からの妬みかもしれない。
その壮大なビジョンを完成させるために必要なピースを手に入れる。
そのために時間の投資をする。
第7幸福の賢者サーチャフト
この賢者からは「幸福」という概念の教えをもらう。
幸福になるにはという哲学に対する一つの回答をもらうことができる。
幸せになるには誰かを幸せにしたいと願っている人になること
これはgiverの考えと一緒である。
「求めよ、さらば与えられん」ではなく「与えよ、さらばあたえられん」といった感じだ。
自分の幸福を求める人ではなく、誰かの幸福を願う人が結果、幸福になるということ
周囲の人間が自分のことしか考えていないからと言って、
「だから自分もそうする」
という考えでは同じ世界を生きることになる。
すべて因果応報で世界が回る。自分がしたことは回り回って自分に返ってくる。
勇気、教え、愛、承認そのすべて、欲しいものは自分が与えることで。手に入れることができる。
つまり、どうやって与えることができるか?ということを常に考えることが
自分が欲しい物を手に入れることができるかということと同義なのだ。
第8言葉の賢者ワーズワース
この賢者からは「言葉の力」についての教えをもらう。
人生の成功について他人からあなたは成功した、と言われても自分が成功したと認めることができなければ成功ではない。
逆を言えば、
他人がなんと言おうとも、自分の人生は成功したということができればそれは成功を手に入れたということになる。
幸せも同じだ。
人生を作るのは言葉が行動を変え、結果を変え、人生を変えるという。
「ことのは」はこの考えから生まれた言葉。
例えば運という概念について実際にその人に起こる出来事に 運がいいとか悪いとかはない。
ただその人にとって必要なことが起こるだけだ。
それらの出来事を引き寄せてくるものが行動であり、言葉である。
口から発生させられる言葉と、口からは出てこないココロの声から発せられる言葉がある。
それはときに感情であったり、思考であったりする。
そして、その大義の言葉に一番強く影響を受けるのは自分自身である。
もしも、今の自分がどうしても信じられなかったり
幸せだと感じることが難しい一日だったとしてもまずは成功している人間なら、
そんなときにどういう言葉を使って、どういうことを頭で考えるのかを考えて、
なりたい自分になったと思って言葉を使うこと。
第9感謝の賢者アレックス
この賢者からは「感謝」という教えをもらう。
すべての事柄に誕生を意識する
可能性というものは常に生まれ続けている
この可能性の誕生を受け入れ、認める。
今日から、今からそれが可能になる
まとめ
これは、自己啓発本でも、成功のためもビジネス本でも、自己肯定感を上げるための本でもないと感じた。
この本は著者にとっての
- 生きる意味とは
- 人生とは
- なぜ働くのか
といった、生き方という概念に対して著者なりの哲学に対する答えを出し、
それを表現する形としてこの本が出来上がったのだと強く感じる
ここまで簡潔に社会における個人のあり方、道しるべを記している本はそうそうない、といっても過言ではないと感じた
思わずなるほど賢者の書というタイトルがしっくり来る内容だ、と。
そして、何よりここまで生きる本質についてわかりやすい表現、単語、文体、引き込まれるストーリーで本を完成させていることに感動した
わたしのこの本に対する表現として現代における
- 哲学書であり
- 聖書であり
- ビジネス書であり
- 自己啓発書であり
- 小説のようでもある
人生についての考察と自分なりのその答えかと感じた。
一部、私が重要だと感じた部分だけを抜粋し、文字に起こしているために前後の文脈やニュアンスを省いてしまっているため少し宗教っぽいと感じてしまう部分があるかもしれないが、
私の取りまとめと表現力が不足しているためなので、少しでも気になれば、自身でこの本と向き合ってみてほしい。
たった1000円ちょっとで人生について考えるきっかけを作れると思うと本当に安いというか、有り難いと感じる。
(完全に主観です)
それこそ、これ全部できたらそりゃ賢者だよ、と言いたくなる所も正直あるけれど
これが 人生の本質だと、自分のなかに落とし込んで日々を生きるということができれば
一人ひとりが(あくまで一つの表現としての)賢者としていきていけるのだなと思う。
理想論だ、幻想だ、自分には無理だ、そんな人世の中にない
ごもっともだ。でも総否定するのではなく
私がこの本に10人目の賢者の教えを付け加えるとするならば
と感じた。
最後に
私のここまでの説明と感想よりもはるかに著者のあとがきが素晴らしく、
これ以上簡潔に伝える言葉を並べることができなかったので、著者のあとがきを引用し締めくくるとする。
「一冊の本との出会いで人生は変わる」
僕はそういう素晴らしい本登の出会いを何度もし経験してきました。
この本が、あなたにとって、人生を変える…とまではいかないまでも、
自分のなかの何かが変わるきっかけになることを心から期待しています。
出会ったすべての人に心から感謝。
ありがとうございました。
賢者の書 喜多川 秦
では、また。
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